Museum of Jewish Heritage

夏時間に切り替わったころからちょうど天気も良くなってきて、アクティブに活動しています。

以前から興味があったユダヤ伝統文化博物館。ところでこのブログにはやたらとユダヤネタが多いですが、そもそもは中東文化に非常に興味があるのが理由です。あとは、ニューヨークはそれほどまでにユダヤ文化が身近に溢れていて、私の興味を駆り立てる、というそれだけの理由です。特にユダヤ萌え?とかユダヤオタクとかそう言うわけではありません。笑  もちろん、キリストもユダヤ人だったわけで、そう言う意味ではとても歴史の深い宗教なわけで。

ざっくり説明いたしますと、一階はユダヤ文化を展示したフロア、二階は主にホロコーストの資料を展示したフロア。

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伝統的なユダヤ教徒の結婚式。フッパと言われる天蓋のようなものの下で、結婚を宣言します。そういえばこの間マイアミに行ったときも、ホテルで結婚式をしていて、ゲストが全員明らかにユダヤ人の人たちで(全員カッパのお皿みたいな帽子=ヤムルカ をかぶっていた)、なんか仮説テントみたいなのがセッティングされていたのを思い出しました。あれはフッパだったのかも、と納得。
結婚を宣言したあとはグラスを踏んで割ったり、椅子に座った新郎新婦を担いでぐるぐる回ったりする、独特な結婚式なんですよね。あの椅子に乗った2人を担ぐやつは、楽しそうでいいと思います。神輿っぽい。日本でも受け入れられそうです。

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二階は、ホロコーストの展示。とても良い意味で、淡々と見やすく資料が展示されているので、冷静に見ることができます。それにしてもやはりこのマークは、強烈です。以前日本でアメリカ人の友人を車で案内した際、カーナビの地図を見て仰天していました。お寺のマークがこれなんですよね。彼にはナチの支部がそこら中にあるように見えたのでしょう。本当は、寺のマークはカギの向きが逆で、ヒンドゥー教から来ていて、仏教においても幸せとか吉兆とかそういう意味のマークらしいです。ナチのハーケンクロイツとは真逆ですね。

日本人でも、ナチがユダヤ人を迫害し虐殺したことは知っていますが、彼らの進行がアジアまで進んでいたら…被害者は私たちにもなり得たかもしれません。
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当時の教科書です。どのようにアフリカ人、オーストラリアの先住民アボリジニ、エスキモー、そしてアジア人を見分けるか…というページ。優れた我々アーリア民族が、こういうのと混血するのは危険だ!的なことが説かれているそうです。ぎょえ。私たちも差別の対象だったのね…そう考えたらホロコーストはやはり他人事ではないんだなぁと実感。

他にも、セントルイス号の悲劇、という展示がありました。ドイツ国内で危険を感じたユダヤ人たちが、キューバに亡命するためセントルイス号に乗ってキューバにたどり着いたところ、突如彼らのビザが無効になり、キューバに上陸させてもらえなかった。彼らはその後マイアミに行き、なんとか上陸させてもらえるよう交渉したがダメだった。失意の中、もはや状況が絶望的なドイツへ強制送還…とそこで、ギリギリのところでイギリス・ベルギー・フランスなどの四カ国が彼らの受け入れを表明。セントルイス号に乗ったユダヤ人たちは無事各国へ逃げることが出来た。が、喜ぶのもつかの間、その数ヶ月後イギリスを除く3カ国にナチが進行。結局イギリスにたどり着けた人以外は、悲劇の末路を辿ることに…

せつなすぎました。


明るい話に戻します!
こちらの建物、まだ結構新しく、マンハッタンの先っぽに位置していることもあり、見晴らしがとてもいいです。館内にはカフェも併設しており、抜群のロケーションでお茶できます。
展示を見て少し落ち込むけれど、この景色をみて、コーヒーをすすると、世界はまだ希望に満ちている!と元気な気分になれます。こういう平和な美しい風景を守っていかなければいけないな、と。きっとこの博物館を作った人たちもそういう趣旨でこの建物を作ったに違いない、と勝手に解釈。

入場料は12ドル。日本人で訪れる人はなかなかいないと思いますが 機会があれば是非。館内の人も、日本人(しかも1人で来るなんて)はレアだよ!と喜んでくれました。